夜明けになれば、

すべては消えるだろう。舞台なき砂浜の上には、手術台よりもむき出しになった砂浜の上には、大理石の彫像のようにすべすべした女性の死体しか残らないだろう。すぐそばには、無用の胸から逃げ出したような心臓が、引き締まってよく動く、複雑な機械仕掛とともにはっきりと生きている心臓が。
 
『無効の告白』の余白に / ピエール・マッコルラン