SPK

今日は物騒な話題。

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1971年6月24日木曜日、午前3時の事だ。西独バーデン・ヴュルテンベルク州ハイデルベルク市近郊のヴィーゼンバッハで、ハイデルベルク市警察啓司部長のブラントという男が、パトロール中に狙撃され、負傷した。ハイデルベルク市警察とボンの連邦刑事局は、この事件の容疑者としてただちに五人の青年を逮捕したが、彼らはいずれも、ハイデルベルク大学医学部付属病院の精神神経科を中心に活動している「社会主義者患者集団(Sozialistisches Patientien Kollektive=SPK)」という組織に所属する青年たちだった。

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つまり、なにもかも「できすぎて」いた。そしてじっさいどこからも(もちろんSPKの逮捕者のなかからも)、ついに「真犯人」は摘発されなかったが、この事件のために、SPKは見事に弾圧された。

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そしてSPKは、「存在に規定された精神」がこのことをとおしてこうむる損傷と、この損傷にたいする(最初は無自覚な)反逆が、現代の精神の「罹患」であるとするのだが、そうとするならば「病い」こそ資本制下の人間にとって唯一可能な生存形態であるということができる。

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こういう事態は、医療の場を一転させる。そこでは「診断する者」と「診断される者」は、医者と患者として両極に固定されているのではない。両者は不断に可逆的な緊張のうえにあり、「損傷」と「反逆」と、いずれの側にその都度より多く依拠して生きるかによって、医療関係のなかでの主体と客体は、つねに入れ替わる。

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しかし、民衆に武器をもたらすものはなにか。武器を創造し、あるいは奪取しようとする意欲と、だいいちにその武器をとろうとするこころをもたらすものは、なにか-
SPKはこう問い、また答えている。
"Aus der Krankheit eine Waffe maschen!"
「病患から、武器を造れ!」
それは、病識の有無にかかわらず病んでいるという病識と、この事実にたいする恐怖と拒否である。
 
かき消された旅団/奥野路介

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http://www.youtube.com/watch?v=OZWmYEUoweg
 
http://www.youtube.com/watch?v=JZTkFd7dmVU
 
嗚呼、S-P-K!!!!