自身による「Khôra / Hollow」曲解説 v1.1

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「Khôra / Hollow」自身による曲解説 v1.1です。Tの方でも訂正加筆してください。私もまた書き足しますので。
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「Khôra / Hollow」には曲名がないので便宜上、ナンバーで話すと、

1枚目


Khôra 01
「呼び出し」の音楽。電子音と男女のコーラス/声明。
しかし、「ダレ/ナニ」を呼び出すのか当事者にもわからぬままに
「Khôra / Hollow」は始まる。


Khôra 02
雨上がりをさまよい歩くフェンダーローズ。キょくはコのヨのツねでオわってしまうが、このホウコウは終りそうにもない。


Khôra 03
2回目の「呼び出し」。


Khôra 04
「また与太話を、と言われるかもしれないが、何度か観る内に「クワッド」における俳優達の一連の動きが福島第一原発4号機での使用済み燃料取り出し作業のようにだんだん思えてきて、ゾッとする今日この頃でもある。指示書では、舞台になる正方形の中央(指示書ではEと書かれた小さな正方形)は四人の俳優達が決して足を踏み入れてはいけない「危険地帯」とされている。今、私達が置かれている状況で、舞台中央から「不可視の黒い燃料棒」が垂直に伸びていく様を「幻視」することはさほど難しいことではないのでは?と思う。極論に聞こえるかもしれないが、「クワッド」が今、上演/記録されて一番切実なリアリティーがある場所とは福島第一原発4号機の使用済燃料プールなのだと思う。そして、私達は全員、この新しい「クワッド」になんらかの形で否応なく参加させられているのだということも。・・・これが与太話で済めばいいんだけども、そうも言ってられないのが21世紀なんだとも思う」
サミュエル・ベケット「クワッド」の為に。


Khôra 05
感じとしては、もうキた後のソレ。
いや、いつの間に?
しかし正直なところ、「ダレ/ナニ」が来たのか、もっと言えば「ダレ/ナニ」が有るのか無いのかすら分からない。
相も変わらず、わてら=Dowserがいると、モノゴトは不在のママ、進行しますわ、ほんま。


Khôra 06
「送り出し」の音楽。「お見送りの基本は先方の姿が見えなくなるまで礼」という話もあるが、今回はどうすればいいのか?
これも世の常で、ソウコウする内にキョクは終了する。
しかし、Dowserの21世紀はここから始まる。
「アイス」の最後に出てくる装甲車に乗って。


2枚目


Hollow 01
また違う「ダレ/ナニ」を「呼び出す」ために。平たく言うと、Khôraは21世紀、Hollowは20世紀のソレ。


Hollow 02
暗闇をひた走るバス。窓からはネオン管でできたグロッタが見える。
そして、化学式でできた打ち上げ花火が上がる。
行き着く先は、全てが鏡文字で書かれたディズニーランド。


Hollow 03
チょっとキをヌきたいカんじでソっきょうヲ。最初は「Nannpou」という仮の「名」が付いていた。
ジェリーとテイジに捧ぐ。


Hollow 04
砂漠を走る蒸気機関車。乗客の一人であるアルトサックス吹きは「ダレ/ナニ」を求めて、列車からサックスを抱えて飛び降りる。しかし、凍えるような夜の砂漠で、彼は何故「So Sweet」と言うのか。
いや、そうゆうんがモダンってことなんかね、T。


Hollow 05
魂がなくて精密で野蛮な僕たち。
手には携帯用賢者の水とゼロ戦
「遠鳴りに、どこかの国歌が聞こえてくるよ」


Hollow 06
個人的な話だが、深酒をしていい具合に酔っぱらうと、目のピントが変わる事がある。レンズの種類が変わると言えばいいのか。ピントが合った部分は素面の時よりも断然シャープになるのだが、ソコ以外がもうボケボケ。そんな状態で深夜、タクシーの車窓から見た印象。


Hollow 07
「おしまいは二本足で立つこともやめて、俺と長い長いキスを交わすだろう」
とどのつまりはあいのうた。


Hollow 08
あらゆる全てのHereticの為に。しかし、最後はグノームとロボットがバカ騒ぎして終わるんで、この戦いもどうなることか。
と不安を残しつつ、Hollowは終了する。


Hollow 09
しかし、柄にもなくカーテンコール。
最後は「色々あったけど、まあ、ええわな」という感じで終りたい。
宇宙人と埴谷雄高の為のジャズ。
Dowserの20世紀は、これにて終了。