夜、

近江八幡の酒游舘で
キース・ティペットのソロを聴いた。
とうに還暦を過ぎた御大ながら衰えなど微塵もなく。
達者に指は動き、内部奏法交え強靭な音を紡ぎだす。
 
プリペアを巧みに使用して
仄かなノスタルジアをひび割れて
今/こことの間で二重化させてゆく趣あり。
 
ふとスコット・ウォーカーの新作で感じた
不穏&豊穣な躍動感を思い出した。
不敵さを忍ばせた魅惑。
格好良い男の音響構築美。
 
前に見た時に比べ、
あっけらかんとロマンを提示する辺りにも一本取られた。
一人になると余韻がジワジワ戻ってくる感じ。