午後から

立命館大学に出かけ
樫村晴香の講演/報告を聴講した。
 
彼のここ二十年くらいの生活を織り交ぜつつ、
行きつ戻りつ様々な論点(?)が提出された。
この行きつ戻りつの具合/間合い(時間)が興味深く、
ふと音楽のような話しぶりだと思った。
(話が横滑りしてゆく具合は大里俊晴との会話でも感じたけれど、
彼のは連想ゲームの様だった。
樫村晴香の方はもう少し違っていて、
何と言うか彼の思考の発生/流れに立ちあっているような感覚/錯覚...)
 
急に話が見えてくる時の具合、
或いは解らなく(見失っ)て帰途のバスの中で
いきなり納得できたりする具合も
ある種の音楽/演奏を経験した時
(音の中に入っていけた時)の具合に似ているようにも。
 
個人的には進行中の作品に触れた際の「時間」の話が一番興味深かった。
その次にクロソフスキー、そして倒錯の問題。
(クロソフスキーのサド論、proprieteの事などを思い出しつつ
配布された資料、ルターの一節を帰途のバス中で読んだ。)
 
しかし、いつ尽きるともしれぬ話し方は興味深い。
いつまでも聴いていたい気はしたけれど、
主催者/司会進行/舵取り役はしんどいだろうな...とも思った。

    1. +

途中の休憩でコーラを買いに出て飲んでいる内に
高校を出てブラブラとしていた時期(もう二昔以上前!)に
出会(そして早くに亡くなってしま)った方の事が思い出された。
 
私と違い極めて優秀で既に大学生だった彼は
「京大の凄い人達」の事を教えてくれ、
論文や本のコピーをくれ、ややドラマタイズした形で
その凄い人達の事を(多分に物まね風に)語ってくれた。
どちらかといえば珍しいレコードをコピーして欲しさに
そうした話題に付き合っていたのだけれど、
そんな私がこの講演を聴いているのも感慨深い。
そういえば、その方の話によく出てきた浅田彰市田良彦も会場に居た。

    1. +

樫村晴香のいつ果てるともない口調の余韻を思い返す内に
何となくLa Monte Youngを聴きたくなったので、
今夜はWell Tuned Piano

http://www.youtube.com/watch?v=44HxMPKC8RM