昨日は芦屋、

山村サロンで

大井浩明《ピアノ・アンバイアスト》第3回公演
〜1980年代のピアノ作品を巡って

を聴いた。

http://ooipiano.exblog.jp/18375914/
 
2枚組LP,ABCD面を(休憩ありだけど)一気に聴くような豪快な企画。
曲目も選び抜かれ(?)ており、
はっきり言って面白すぎ。
何というかアレなタイミングながら
こんな事が出来るのも日本だから、とか。
いや、ホンマに。
 
ロックなどのLPならシングル狙いのA面二曲目に
高橋悠治『光州1980年5月』というのも渋いというか、いやはや。
 
個人的には姜碩煕(カン・ソッキ 강석희)『ソナタ・バッハ』
横島浩『ピアノ独奏のための《華麗対位法Ⅱ Florid Counterpoint II》』
がツボだった。
 
打鍵と音の連なりから時間が溢れるように
自由自在に生みだされる趣き。
逆にシャリーノの曲は凄いなあ...と圧倒され、
音が積み上げられてゆく様に驚嘆するのだけれど
何処か「尻(ケツ)がポリカイン」(C)友沢ミミヨ
な気がして感嘆すればするほど醒めた心地に。
何というか...姜碩煕、横島浩の作品からは
時間がどんどん生みだされ、
しかもそれらを演奏者が自由自在に制御する印象を受けるのに
シャリーノではまず枠内に収まった単一の時間が
余りにきちんと制御されており、
産出された音響体も不毛に美しいというか...
まあ、単なる妄想/感想(というより、
シャリーノの音楽が私には合わないだけ)なんですが。
  
陳銀淑(チン・ウンスク 진은숙)『ピアノのためのエテュード集』
は初版だけでも良かった気がするけれど、
でも、これは並べて聴いたからこそ。
去年の年末に東京に行けず、トホホな想いを味わった事もあり、
今回は大満足(ちょっとお腹一杯の気味も)。

アンコールは姜碩煕編曲による『Get Back』
コレまた色んな意味でツボ。
この企画をこれで〆るとは素晴らしい。